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震災ボランティア報告2(石巻編)

桜 庭   実

千葉県連の「東日本大震災人的支援行動」に船山から4名が参加した。

4月8日(金)20時千葉工大前集合出発、松戸に8つの会から25名が集合し自己紹介後21時出発。吉田号、岩本号にそれぞれ他会のメンバー3人を乗せスコップや猫車、支援物資など満載で、宮城県気仙沼市唐桑半島巨釜の「海岸亭」を目指した。東北道安達太良SA12時半着、テント仮眠をとり5時起床6時出発、途中ガソリンを補給し一の関8時50分、現地10時50分着。県連全体(ちば山除く)で25名・6台の車が無事に海岸亭駐車場に集結できた。小雨の中、テントを張りヨシキスポーツからの靴下など支援物資段ボール9箱を手渡した。

先発し拠点ベースを設けて活動している栃木県連の森隊長から被災地の状況報告やボランティア活動をする上での諸注意の指示を海岸亭2階の大広間で受けた。残念ながら雨天のため当日の活動は午前中で打ち切りとなったため、到着日は周辺の景勝地の探索や被災地の視察をし、思い思いに過ごした(夜には松戸山の会から歓待を受けた)。

翌10日は石巻市の災害ボランティアセンターからの依頼があり、吉田号に桜庭他3名・岩本号に有川他3名、他東葛山の会、ちば山からの計17名で急きょ石巻市へ。4月10日4時起床6時に出発。

海岸沿いの国道45号線は被災のため迂回し石巻専修大学のキャンパス8時15分着。ボランティア団体登録し、『がんばっぺ!絆 石巻!!』というワッペンをメットに張り付け、テントを4張り張り終え、マイクロバスで9時10分石巻駅前広場に大勢のボランティアと共に集合。アメリカ軍からの支給品スコップを手に作業現場に移動。

市内の繁華街通りへ。瓦礫や諸々が散乱しヘドロ異臭を放つ中、70名ほどで片付け開始。11時ころ避難所暮らしをしているおばあさんが「一緒に家に来て眼鏡を探してくれないかしら?私あまり目が見えなくって」と訴えた。ボランティアリーダーにその旨を伝えたところ、被災者の要望にできるだけ応えて欲しいと言われ、全く誰の手も入っていない二階家屋の被災現場へ6人で入る。1階部分が全て水に浸かっており、暗い中でヘドロに埋まった眼鏡を幸運にも探し出した。眼病をもつ被災老女は何度も何度も感謝の言葉を我々にくれた。「これで、ようやく避難所の掲示板を見ることができる」とも。石ノ森章太郎の漫画ヒーローが四つ角に立つ道を通り昼休憩の社協敷地へ。

復興支援協議会の用意してくれた昼食を頂き、再びその老女宅へ。2メートルに満たない狭い通路を通りながらヘドロを被った家財を運び出す。引き出しの開かない箪笥や濡れて重い布団や衣類、電気器具や超重い畳を表通りの瓦礫の山に上積みした。10数名で4時間かけて1階部分をおおかた片付け終わった頃は、100メートルの繁華街表通りも重機が入る広さにして、無事片付け終了。駅前広場に戻り迎えの車で北上川沿いのテント村・専修大学キャンパスへ。キャンパス内は電気・ガス・水道のない状況下で、疲れ果て、汚れた臭い衣類の始末に閉口したが晴々とした気分で爽快感があった。有川君の初飯炊きで夕食、お酒も他会の面々と共に気持ち良く頂いた。

翌日は、前日に申し合わせたにも関わらずボランティアリーダーが他所に出払ってしまった。自力で打ち合わせの集合現場に行くが、指示する人が来ないため連絡先を訊き出しなんとか被災個人宅に行く。市内大街道東3丁目の被災現場付近は庭に3台の車が重なり放置されたりしているが、住宅地の道はかろうじて車が通行できる状況であった。依頼内容は、ほとんど水に浸かった車庫と1階部分の家具類や衣類の片付け。労山仲間10人で2時間休みなく働き11時40分終了。ご苦労様でしたと、家人は苦労して手にいれたであろう10本の飲み物をくれたが、気持ちだけ頂き辞退した。帰り道、悲惨な現地を通って自然と涙が出てきた。

我々の車を駐車してあるスーパーマーケットの広いスペースには、自衛隊の給水車3台が来て1000リットルの水をそれぞれに積んで被災者に提供していた。

帰りに立ち寄った浴場は平日にもかかわらず人でごった返して、洗い場待ちに10人ほど並んでいる。入浴後食事を摂り三陸道経由、東北道。岩本号はそのまま東北道で帰宅のルートをとる。吉田号は郡山ICから磐越道〜常磐道。これが大誤算!いわきIC手前で震度6弱の地震に遭ってしまった。イヤハヤびっくりの揺れ。なんとか磐越道を通過できたが、常磐道は下りの対向車線が土砂崩れで通行止め。上りも北茨城で通行止め。国道6号線のひどい渋滞につかまり、日立中央ICから再び常磐道に乗り、柏IC経由で帰宅したのは22時を過ぎていた。同乗の君津ケルンの二人は、翌日帰宅を覚悟したと言っていた。

参加のみなさんお疲れ様でした。特に長距離運転の吉田さん、岩本さん。お世話になりました。二日間行動を共にしたACT峰友の小谷、佐藤両名。岳樺の徳永さん、君津ケルンの平塚、神田両名、紅一点・松戸遠足クラブの窪田さん、ありがとうございました。微々たる力ですが次回も災害ボランティアに参加できればと思います

【参考データ】

費  用:高速代7,000円(行き1,850円,帰り5,150円)
ガソリン代27,500円(距離1,100キロ)
食料代750円(一人あたり)
合計1人8,150円
個人装備:汚れ覚悟の服装,カッパ,ヘルメット,ゴーグル,マスク,手袋(皮手,ゴム手,軍手),テント生活用具,食器,着替え,入浴セット,行動食,靴(登山靴か安全靴かゴム長),貴重品入れのサブザックかウェストポーチ,医薬品
共同装備:テント,コッフェル大,卓上コンロ2,ガス6本,食料,水用ポリタンク,作業用具(スコップ,バール,ただし、これから作業用具については現地で調達できるのではないか)

【謝   辞】

気仙沼への人的支援にあたり、ヨシキスポーツ様から下記の支援物資を提供していただきました。ありがとうございました。